まさふみの4コマ漫画集

まさふみの4コマ漫画集

4コマ漫画、日記、観た映画の感想などを投稿しています。自分にしか作れない記事を模索中です。

多摩川に癒された日々〜ALWAYS 3丁目の夕日〜

今回は、私の多摩川愛について語りたいと思います。
キンキンに冷えたカルピスでも飲みながら、ゆったりとした気持ちでお楽しみください。

多摩川に恋に落ちた日

私は25歳のとき、就職を機に上京してきた。地元は福岡市である。上京して最初の数年は、社員寮に住んでいた。その社員寮は、築50年を優に超えておりオンボロだった。部屋は6畳ほどで、隣室とを隔てる壁は薄かった。隣人がタンを吐き捨てる音やオナラが聞こえてくるのは日常茶飯事だった。また、部屋の中にタランチュラみたいに大きなクモが出たり、謎の虫に首元を刺されて大きな腫物ができたこともあった。こんな感じで、私の上京生活はスタートした。

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寮の自室にお風呂はなく、共用の大浴場があった。たまに仕事が早く終わって大浴場に直行すると、寮長が浴槽の中を裸でぐるぐると回っているのが常だった。浴槽のお湯の温度を均一にするためだ。寮長は、初代ジェームズ・ボンド役として有名な俳優ショーン・コネリーに激似だった。「お疲れさん!」という寮長の元気な声が懐かしい。一番風呂なのに、寮長の毛深い体毛が、浴槽の中に浮かんでいた。毎日、温かいお湯の中で1日の疲れを癒しながら、「何で東京に来ちゃったんだろう...」と思っていた。

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寮での生活にも慣れてきた頃、仕事では残業が続き、毎日クタクタになっていた。休みの日も寮の自室で勉強する日々を送っていた。特にこれと言ってやりたいこともなく、勉強するくらいしかやることがなかったからだ。

そんなある日、気分転換に何となしに寮の周りを散歩してみた。普段は、近くのスーパーと寮との間を行き来するだけだった。だがその日は、いつもと違う方向に歩いてみた。片道一車線の狭い道路を少し歩くと、信号の先に小さな階段が見えた。5段くらいの小さな階段だ。その先に何があるのかはわからなかったが、その階段を登ってみた。するとそこには、視界いっぱいに広がる自然があった。それが多摩川だった。まるで異世界に来てしまったかのような衝撃を受けた。さっきまで、灰色の建物と黒いアスファルトに囲まれていたのに、一瞬にして世界が切り替わったのを感じた。多摩川のその景色は、これまでに溜まっていた鬱憤を全て消し去った。「あぁ、この景色を見るために東京に出てきたんだ...」とそのとき思った。

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いろんな多摩川

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いろんな多摩川

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いろんな多摩川

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いろんな多摩川

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いろんな多摩川

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いろんな多摩川

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いろんな多摩川

多摩川に通じる原体験

子供の頃、夏休みになるとよくじいちゃん家に遊びに行った。

じいちゃん家の近くには、筑後川という大きな川が流れていた。小学生の頃、そこでじいちゃんと一緒に釣りをして遊んだ記憶がある。筑後川の河川敷で自然と戯れたあの時間は、福岡の都市部で暮らす僕にとって、特別な時間に感じられていた。だから多摩川に行くと、子供の頃のあの気持ちを思い出して、心が安らぐのかもしれない。

多摩川が好きな遺伝子

父親が昔パニック障害だった話を、大人になって聞かされた。僕が中学〜大学ぐらいの頃、パニックと付き合いながら会社に行っていたそうだ。電車や会議室など、区切られた狭い空間に入ると、パニック発作が起こるのだそうだ。僕もパニック発作とまでは行かないまでも、狭い空間に長時間いると、息苦しさを感じることがある。狭いところが苦手で、開放的な場所が好きという感覚は、父親からの遺伝なのかもしれない。

また、小学生の時、将来の夢をタイルに描かされることがあった。皆が、プロ野球選手、漫画家、Jリーガーなど、夢のある職業を描いている中、自分だけ「平和に暮らす(ピース)」と描いていた。何か特別にやりたいことがあるわけじゃないけど、毎日平和に、心安らかに、のんびりと生きられたら幸せだなぁと思って、これを描いた記憶がある。その気持ちは今も変わっておらず、僕は落ち着いた空間が好きなのかもしれない。だから多摩川のゆったりとした景色に心を奪われたのだと思う。

多摩川で見た奇人たち

多摩川の魅力は、自然豊かな景色だけではない。そこに生息する人たちもまた、多摩川の魅力なのだ。そこでいくつか、多摩川で見た奇人たちを紹介しよう。

ジャンベ叩き

アフリカの民族楽器にジャンベという太鼓のような楽器がある。そのジャンベを2時間くらい永遠と叩いている男がいた。観客は誰もいない。スーパーで買ったお寿司をつまんでいる私がいるだけだ。それなのに男は、ひとときも休むことなく一心不乱にジャンベを叩いていた

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ジャンベ叩き

フルフェイス爺さん

多摩川では、風が強い日がたびたびある。ある風の強い日、白いフルフェイスのヘルメットを被った爺さんが、土手を歩いていた。完全に風を遮断しようというその意志に、強く心を打たれた。だが、近くで見るとそれはヘルメットではなく、ヘアーだった。強い風の影響で、顔面に白い髪と髭が張り付き、フルフェイスのヘルメットのように見えていたのだった。

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フルフェイス爺さん

一輪車LOVER

多摩川では、サイクリングを楽しむ人が多い。そのサイクリングを楽しむ人たちの中に、ひときわ肩を揺らしながら駆け抜ける男がいた。それが一輪車にまたがる男、一輪車LOVERだ。トライスーツを身に纏い、全力で走るその姿は、周りに元気を振りまいていた。

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一輪車LOVER

日焼けMEN

夏が近づくと必ず、多摩川に日焼けMENが現れる。ある時は河川敷のベンチの上で寝そべり、ある時は全裸に近い状態で土手を走っている。たまに日焼け初心者の白い肌をした男も走っている。

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日焼けMEN

戦場バードウォッチマン

あるとき、戦場カメラマン渡部陽一のような身なりをした男が、草むらの中でバードウォッチングをしていた。完全に気配を消して被写体を写真に収めようとする姿に、サバンナで獲物を狙うライオンと同じ野生を感じた。

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戦場バードウォッチマン

おわりに

もし多摩川に出会っていなければ、今頃どうなっていただろうと思うことがある。多摩川は本当に素晴らしい場所だ。都会の中のオアシスだ。
みんなもぜひ、多摩川においで。
( ⌒ ͜ ⌒ )

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多摩川においで

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